生ドラムと電子ドラム、どっちが好きかと問われればそりゃ生ドラムと答える。
生ドラムをバシバシ叩くのは気持ちいいからね。
とはいえ生ドラムってのは扱いがむずかしい。
生ドラムは音がデカい
ウチみたいな田舎でも、夜のドラム演奏は御法度だ。
高校時代の俺は夜9時までの演奏権を得ていたけど、それもご近所さんからはかなり譲歩してもらった結果だった。
1分でも長引こうものならお隣のおっさんが怒鳴り込んできて「早よやめや!」「ちょっとぐらいえええやないか!」といった押し問答を繰り返したもんだ。
ご近所さんからすれば、俺らバンドマンははた迷惑なガキどもだっただろう。
高校を卒業して大阪へ行き、20年近く過ごして再び実家に帰る頃には、その怒鳴り込んできたお隣のおっさんも他界していた。
だからといって好き放題できるというわけではない。
お隣さん以外にもご近所はあるし、なによりお隣さんのご夫人は健在だ。
そんなわけで演奏限界時間を1時間早めて夜8時にした。
するとお隣ご婦人から「正和くんは元気しよるみたいやなぁ」と言われたので、さらに1時間早めて夜7時以降はドラムを叩かないことにした。
俺もいい大人なので。
とにかく生ドラムは音がデカい。
なかなかに厄介な問題である。
その点電子ドラムはいいよね。
生音は静かだから。
生ドラムは録音が大変
せっかく家にドラムがあるんだから、動画配信とかしたいよね。
でもドラムってのは録音するのがとにかく大変なのだ。
一応安いマイクやらなんやらを揃えてみたけど、そもそもエンジニアとしての技術も知識もない人間が、安物で勝負するなんてことが間違いである。
いろいろがんばったけど、結局満足のいく音は録れなかった。
素人がいい音で録ろうと思えば、いい機材が必要らしい。
でもドラムは他の楽器と違ってマイクがたくさん必要になる。
「いや、マイク1本でもいい音で録れるよ!」
なんて意見もあるけど、そりゃいいマイクといいマイクプリアンプと、いい耳とそれなりの技術をもったエンジニアだからでしょうが!
というわけで俺がちゃんとした音でドラムを録ろうとしたどれくらいかかるか試算してみた。
まずマイクセットで10万ぐらい。
オーディオインターフェース(パソコンで録音するための機械)とそこに同期できるマイクプリアンプで大体7~8万ぐらい。
たくさんマイクを立ててもミックスなんてできないので、それを補助してくれるソフトとか、録音した音をよりよくしてくれるプラグインエフェクターとかそんなんで4~5万ぐらい。
そして今のパソコンではたくさん立てたマイクで取り込んだ音声データを処理するのは非常に難しいので新しいパソコンを組まなくちゃいけない。
どうせなら第4世代Ryzen9とかで組みたいので20~30万。
40~50万はかかる。
こりゃ大変だ。
でも電子ドラムなら1~2万のオーディオインターフェースがあればそれなりの音で録れるよね。
とはいえ楽器は見た目が大事
電子ドラムは生音が静かで、録音も安上がり。
でも見た目がなぁ…。
どうせ買うならライブとかで使えそうなヤツがいいんだけど、いかにも「電子ドラムでござい!」って見た目だと、お客さんががっかりするよね。
少なくとも俺が客ならがっかりするね。
別に生ドラムの音にこだわるとかじゃなく、見た目の感じで。
ところが数年前から、アコースティックタイプの電子ドラムってのが現れ始めた。
まぁ、ぱっと見は生ドラムっぽいよね。
それに続いたのがRolandのV-Drums Acoustic Design
これもなかなかの出来栄え。
そしてPearlのe/MERGEが続く。
という感じで生ドラムっぽい見た目の電子ドラムが次々に登場し、お値段も生ドラム録音環境を整えるのに必要な40~50万ぐらいということで、平尾氏の食指がちょいと動きました。
でもなぁ…あくまで「ぽい」止まりなんだよなぁ…。
っていうかPearlのヤツに至っては、バスドラだけ取り繕った感がすごいし。
性能はすごそうだけど、やっぱり見た目がネック。
そんななか、2019年NAMMショー(世界最大規模の楽器展示会)で『ATV aDrums Artist Pro Kit』が発表される。
いや見た目完全に生ドラムですやん!
っていうか生ドラムにトリガー(電子ドラム用のセンサー)つけてますやん!!
シンバルとスネアあたりを生に置き換えたら、見た目の問題も解決ですわー!!
というわけで、これが出たら本気で購入を考えようと決意するも、以降現在(2021年7月)に至るまで続報なし。
まぁ40~50万なんて大金、ポンと出せるわけもないし、マイクプリアンプとか、ちょっといいマイクとか、ぼちぼち揃えていこうかなぁ、と考えた矢先のこと。
Roland V-Drumus VAD706登場!!
YouTubeのおすすめ動画に、こいつが出てきたわけですよ。
見た目完璧やん!
ほな、なんぼするんじゃい!と調べたところ、参考価格が82万とかなんとか。
想定の倍!!
さすがに無理!!
そう思っていろいろ調べていたところ、すでに予約を開始していた楽器店がちらほらある様子。
そしてミュージックランドKeyが、とんでもないことをやらかしていたのです!

まじか!?
とはいえ、どうせ俺みたいな零細小説家じゃあローンの審査はおりへんやろなぁ…。
と思いつつ、なかばノリで申し込んでみたら本当に半日で審査にとおってしまうだと…!?
うーん、しゃあないなぁ…審査とおってもうたからなぁ…。
と自分に言い訳しつつ予約を確定し、ついに電子ドラムを買うことになったわけですよ!
基本セットにドラム椅子、ハイハットスタンド、スネアスタンドを追加したハードウェアセットってやつを買いました。
いや、どれも持ってるんだけど、5000円足らずでその3点がついてくるっていうし、ハードウェアなんてなんぼあっても困りませんからね。
というわけでお値段847,000円の電子ドラムセットがこちらです!!

受け取るまでにいろいろあったり、組み立てるのも大変だったりしたのですが、長くなったので今日はこの辺で。
では。