ほーち先生のはなし2

平尾氏、小説家を目指す2

衝撃の出会い

『なろう』にはランキング機能がり、ジャンル別、期間別にまとめられている。
そのあたりを上手く読みこなせば、『なろう』で受ける作品がどういうものか、見えてくるであろう。

というのが弟からの助言だった。

そういうわけで、平尾氏は『なろう』にユーザー登録し、ひとまず年間ランキングを見てみることにした。

さっそく1位の作品を読むことにする。
その作品がなんだったか、いまでもよく覚えている。

『蜘蛛ですが、なにか?』

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なんとも人を食ったようなタイトルではないか。
果たしてこれが、おもしろいのか?

……なんだこれは?
なんということだ……!

これは、とんでもなくおもしろいではないか!!

本当に、衝撃的なおもしろさだった。
それはそうだろう。
なにせ数年後にはアニメ化までする作品なのだから。

そして、ひたすら『なろう』を読む日々が始まった。

沼にはまる

『蜘蛛ですが、なにか?』で『なろう』作品にどハマりした平尾氏は、それからしばらくのあいだランキングを漁り続けた。

まずは年間ランキングを50位くらいまで読み、その後四半期、月間、週間、日間といった具合に、おもしろい作品、新しい作品を求め続けた。

数ヶ月で、200~300作品は読んだが、まったく苦ではなかった。
というのも、おもしろくない――自分には合わない――と思った作品は、すぐに読むのをやめて次に進んだからだろう。

『なろう』の動向を把握するため、という意識はとうに捨て去っていた。
ただ、おもしろい小説があるから、読み続けた。

とはいえ、意識はともかく最初の動機はあくまで小説家になる、というところから始まっている。
なので『なろう』のランキング作品をひたすら読み漁っていると、なにやら見えてくるものあった。
言葉にするのは難しいが、なんとなく感じ取れるものがあるのだ。
『なろう』で好まれる作品の空気、あるいは雰囲気。

一部の人にだけわかるように言えば、グルーヴに近い、なにか。

それと同時に、己の内に芽生えるものもあった。

嘘はついていないがすべてを語っているわけでもない

研究のためにランキング作品を読み漁って書いたら書籍化できました!

『なろう作家』の常套句である。

ちなみに『なろう作家』とは『なろう』こと『小説家になろう』で作品を公開し、作家活動をしている者を指す。
これは書籍化、すなわちプロデビューしたあとも呼ばれ続けることが多い。
そのことを好む者もいれば、厭う者いる。
人それぞれである。

話を戻そう。
上記のセリフを見ると「好きでもない小説を書いてデビューしたのかこの俗物め!」と言われそうであるが、実はそうではない。
いや、言葉通りの意味で言っている者もいるだろうが、大半の場合は本音のすべてを語っているわけではない。

上記のセリフの隠れている部分を明らかにすると、大抵こうなる。

研究のためにランキング作品を読み漁って(いたら、おもしろい作品がゴロゴロあってつい読みふけってしまい、やがて『自分もこういう作品を書きたい!』という衝動に駆られたので熱情の赴くまま)書いたら書籍化できました!

中には本当に、ただ流行りに乗じて書きたくもないのに書いてみたら書籍化した、という人もいるだろうが、それはきっと天才に違いない。
そして天才というのは世にほとんどいないものだ。
参考にすべきではない。

書籍化云々はともかく、少なくとも平尾氏の場合はランキング作品を片っ端から読み漁っているうちに、衝動が生まれてしまったのである。

俺も、こんな作品を書きたい

そんな、衝動が。

自分ならこの設定でどんな作品を描けるだろう。

この展開、もっと別の方向に進めてもらったほうが自分好みだけどな。

ここでこういうキャラクターを投入したら、もっと面白くなりそうなのに。

ほほう、こういうのもアリなのか……ならそこからさらに発展させて……。

そんなことがぐるぐると頭の中を駆け巡るのである。
四六時中。

期は熟した。
書くしかない。

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