ほーち先生のはなし6

平尾氏、エロ小説に挑む2

あくまで目標は書籍化

『ノクタ』では何を書いても許されることはわかった。
だが、平尾氏の目的はあくまで書籍化だ。

そこで市場へ出すにあたっての基準が欲しいと思った。

そのとき『次世代官能小説大賞』のバナーが目に入る。
のちにお世話になるオシリス文庫主催の小説大賞だ。

受賞作品は書籍化。
つまりこの大賞の規約を見れば、ある程度の基準がわかるのではないかと考えた。

そして気になる項目を発見する。

・未成年者の性描写を禁ず
・犯罪行為を想起、あるいは助長するような描写を禁ず

どうやらこのあたりを気に留めておけばよさそうだとわかった。

実はこの禁則事項がのちに平尾氏を苦しめることになるのだが、それはまたそのときに。

なにを書くべきか

なにを書いてもいいことがわかった。
次に、なにを書くかを考えなくてはならない。

ランキング入りし、読者数を増やして書籍化する、というのは『なろう』も『ノクタ』も同じだ。
ならば『ノクタ』で受ける作品を書かなくてはならない。

では『ノクタ』ではどのような作品が受けるのか。
これに関してはランキングのタイトルとあらすじをなんとなく眺めるだけですぐに答えは出た。

『ノクタ』でも『なろう』と似たような作品が好まれる

これはありがたい結果だった。
なにせ『なろう』で培った経験を、そのまま生かせるのだから。
しかも『ノクタ』にはジャンル別ランキングというのが存在しない。

なので、いわゆる王道テンプレのようなものでも、ちゃんと評価されるのだ。

ある程度の道筋が見えたような気がした。

ノクターンかミッドナイトか

『なろう』グループの成人向けサイトは3つある。
そのうち『ムーン』は女性向けなので除外。

となれば残るは『ノクタ』と『ミッドナイト』
『ノクタ』はエロが主体、『ミッドナイトは』エロを主体としない過激な小説。
王道テンプレにちょこっとエロを足すだけなら、『ミッドナイト』がふさわしいだろう。

しかし残念ながら『ミッドナイト』はユーザーが少ない。
書籍化作品もあるにはあるが、『ノクタ』に比べて圧倒的に少なかった。
書籍化を目標とするなら『ミッドナイト』も除外せざるを得ない。

もう一度言うが『ノクタ』はエロが主体だ。
王道テンプレにエロを足す、というよりエロ小説に王道テンプレを取り込む、くらいの作品でないとだめだろう。

実際にはそれほどエロくないけど『なろう』では厳しいので『ノクタ』に投稿している、という作者も多い。
それも決して悪いことではない。

ただ、『ノクタ』で勝負するからにはエロとしっかり向き合いたい。
やるからにはできる限りエロいものを提供したい。

だがしかし、俺にエロが書けるのか……?

不安はあった。
まともにエロ小説を読んだこともないのだ。
書いたことなど、もちろんない。

パンツァーとプロッター

小説家はざっくりと2つに分けられる。
『プロッター』と『パンツァー』だ。

・プロッター
 事前にプロット――作品の設定や道筋をまとめたもの――を作成し、そのプロットに沿って小説を書く作家。

・パンツァー
 思いつくままプロット無しに書く作家。「キャラクターが勝手に動く」というのは大抵こっち側。

性質が異なるというだけで、どちらが正しい、どちらが優れているという話ではない。
また、どちらか一方だけではなく、両方の性質を持っているという作家も多い。

かく言う平尾氏は、パンツァーだがプロットも書く。
プロットを書くのだからプロッターではないか、と言われそうだがそいう話でもない。

プロットというのはあくまで事前に組み立てるものだ。
対して平尾氏は先に頭の中で物語を作成し、ある程度完成が見えたところでそのあらすじをまとめているに過ぎない。
それをプロットと称して担当編集などに提出しているのだ。

最近は備忘録としての役割も大きい。
歳をとると、物忘れがひどくなるのでね。

とにかく、平尾氏はあくまでパンツァーなのである。

エロ小説を書けるのか

エロ小説投稿サイトは見つかった。
そこから書籍化できることもわかった。
なにを書けばいいのかも、なんとなく理解できた。

様々な問題をクリアしたが、最後にして最大の問題が残っていた。

俺に、エロ小説が書けるのか?

書けるかどうかは、自分でもよくわからなかった。
だが自分には無理だ、とまでは思わなかった。

ならば、書いてみるしかない。

先述したとおり、平尾氏はパンツァーである。
頭の中で作り上げた物語を、小説として書き上げる。

この「頭の中で作った物語を書く」というのをどう表現すればいいのかは難しい。

本当にざっくりとした表現になるが

頭の中で作り上げた映像作品を文字に起こす

というのが一番わかりやすい表現になるだろうか。

つまりエロ小説を書くためには、エロシーンを頭の中に作り上げる必要があるわけだ。
そしてそれを、文字に起こす。

なんとなく、やれそうな気がしてきた。

よし、書こう。


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