ほーち先生のはなし7

ほーち先生、誕生

まずはプロローグで様子見

『ノクタ』にエロ小説を投稿すると決めたが、10万字書きためて……というのは人気が出なかったときのダメージが大きい。

そこで、プロローグだけを書いて様子見することを決めた。

もちろんエロシーンを含める必要はあるので、できるだけ早い段階でエロにいたる話にしなくてはならない。
ここに『なろう』の王道テンプレを組み合わせたら、どうなるか。

そこで平尾氏が目を付けたのは、案内役の女神だった。

異世界へ転移、あるいは転生することになった主人公の前に女神が現れ、状況を説明しつつチートスキル――反則級のとんでもない能力――などを与えてくれる

異世界転生/転移ものでよく使われるテンプレートである。

物語の冒頭に現れる女神は、とんでもなく美人だという設定も多い。
その女神と、やってしまおう。
それが手っ取り早い。

主人公は冒頭で死に、異世界へ別人として転生する。
せっかくなら死因もエロならではがいい。

そうだ、テクノブレイクにしよう
※テクノブレイクとは、オナニー死のことである。

異世界に転生してチートスキルで俺Tueee!!しつつ、さまざまな女性と出会い、セックスをする。
ふむう……それもいいが、どうせならエロに意義を持たせたい。
そもそもエロとは、セックスとはなんだ?

子作りである。

よし、主人公が子作りせざるを得ない状況を作り出そう。

最終戦争にかろうじて勝利した人類だったが、兵士として多くの男性が戦死してしまう。
このままでは緩やかに人類が滅んでしまうだろう。
そこで主人公には、異世界で出会った女性たちと片っ端から子作りしてもらう。

なんとも安易な設定だが、これくらいわかりやすいほうがいい。

転生する主人公は童貞。
そこで予行演習と称して女神とセックスをする。

いいじゃないかいいじゃないか。
これなら状況説明をさくっと終えたあと、早い段階でエロシーンを入れられるぞ。

というわけでできあがった作品が、これだ。

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略して『聖騎士転生』という。

そして肝心の「エロシーンが書けるのか?」問題だが……

書けた。

自分でも驚くほど、あっさりと。

いや、エロシーンを書くにあたっては相応の時間と労力を要したが、それでも「なにをどう書いていいかわからない」とか「書いてみたもののエロくならない」という悩みがなかったのだ。

自分でも驚くほどエロい文章が書けた

ありがたいことに平尾氏には、エロ小説を書く才能がそこそこあったようだ。

ちなみに『ノクタ』で公開している『聖騎士転生』には新旧2バージョンが存在する。
その旧バージョンの冒頭にあるエロシーンこそ、平尾氏が生まれて初めて書いたエロシーンだ。
成人向けサイトなのでこちらにリンクは貼れないが、興味のある人は読んでみて欲しい。
作品名で検索すれば、すぐに出てくるだろう。

ペンネームを考える

エロ小説を発表するにあたって、ペンネームをどうすべきか考えた。

個人的には、エロ小説を書くことに羞恥心はない。
ただ、他の人はどう思うだろうか。

平尾氏はSIBERIAN NEWSPAPERというバンドに在籍している。
当時は活動休止していたが、解散はしていなかった。

メンバーのなかには、それなりの社会的地位にある者もいた。
そんなメンバーたちの、足枷にならないだろうか?

また、バンドのファンもそれなりにいる。
そして案外、女性ファンが多い。
自分の好きなバンドのメンバーがエロ小説を書いていることに、忌避感を抱くような人はいないだろうか?

そんな忖度もあり、名義を分けることにした。
そこで母の旧姓をもじって『ほーち』とした。

エロ小説家『ほーち先生』の誕生である

結論から言うと、平尾氏がエロ小説を書くことにはなんの問題もなかった。
メンバーはだれひとりとして気にせず、ファンのあいだでも問題にする人はいなかった。

かなり有名な女性ミュージシャンと共演した際、小説の告知をさせてもらったことがあった。
さすがにエロ小説の宣伝は控えるつもりだったが、当のミュージシャン本人から
「あれ、エロいヤツは宣伝しなくていいの?」
と言われることもあった。

世間は思っていたよりもエロに寛容だった

つまりわざわざ名義を変える必要もなかったのだが、そうと知ったときにはすでにデビューが決まっていて、後戻りができなくなっていた。

そういうわけで、ほーち先生はその後もそのペンネームで活動を続けることとなった。

順調すぎる滑り出し

『聖騎士転生』の冒頭3話を投稿した。
これで人気が出なければ、また別作品の冒頭のみを投稿する。
それを繰り返して、人気が出た作品を本格的に連載する。

そういう心づもりで公開した『聖騎士転生』だが、なんと初日で1000ポイントを超えた。

『死に戻り~』で3ヶ月かけて33万字を更新し、完結後にようやく届いたのが1000ポイントだった。
前作からの誘導を駆使しつつ、ランキング効果の出やすいローファンを狙って投稿した『魔物がうろつく~』がぶち当たった壁でもある。

それを『聖騎士転生』はわずか1日で軽々と超えてしまった。

ノクターンノベルズ……ここは天国か!?

こうしてはいられない、続きを書かなければ!
と慌てて連載を始めた。

様子見のつもりで投稿したものなので、連載の準備は一切していなかった。
なのでほとんど行き当たりばったりで書き進めた。

基本的には『なろう』テンプレにエロを絡めただけだ。

女神の手で転生を果たした主人公が、町に着いてまず神殿を訪れるのはよくあることだ。
そこには女性神官がいるだろう。
よし、やろう。

それから拠点となる宿屋に行く。
そこには女性店主がいるはずだ。
よし、やろう。

宿の女性客と仲良くなることもあるだろう。
よし、やろう。

そんな具合に物語を進めつつ、どんどんエロシーンを書いていった。
さすがに更新速度を維持できず、4000ポイントあたりで失速した。

だが、光は見えた。

行き当たりばったりで投稿した作品が、ここまで伸びた。
なら、きっちり準備を進めた作品だとどこまでいくのだろう?
より『なろう』テンプレに近づけたなら、もっと伸びるのではないか?

書籍化が、見えてきた

というわけで長かった前振りの前振りのそのまた前振りはここまで。
次回からようやく、本題となる『転移失敗のはなし』が始まる。


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