ほーち先生のはなし11

転移失敗のはなし4

思っていたより厳しいレギュレーション

ここでいうレギュレーションとは、レーベル独自の樹種規制を指す。
『転移失敗』を出すことになったオシリス文庫の主なレギュレーションは以下のふたつ。

・未成年者の性描写を禁ず
・犯罪行為を想起、あるいは助長するような描写を禁ず

未成年の性描写についてだが、これはみなさんが考えているよりも厳しい者だと思って欲しい。
18未満の少年少女はもちろん、実年齢にかかわらず少年少女と受け取れるキャラクターの性描写も禁止となる。

この部分は意識していたので、問題はなかった。

問題はもうひとつのほう。

「風俗での本番行為はNGです」

編集からの指示に、ほーち先生は途方に暮れた。

オシリス文庫からデビューすると、1-2巻同時発売となることが多い。
1巻はお安いショートサイズ、2巻がフルサイズとなる。
1-2巻合わせて大判ラノベ1冊分と同等の内容だ。

で、その1-2巻に収録される予定のエロシーンすべてが、風俗での行為だった。

登場する女性は4人。
うち、メインヒロインに昇格した実里とのシーンは、ぎりぎりごまかすことでOKが出た。

あと3人とのエロシーンをどうするかが問題だ。

担当からの提案としては、お店で合法プレイ→お店を出てプライベートで本番、というものだった。

そんなわけで、まず1人目のリナは、それで通した。
異世界スキルをうまく利用した結果、非常にうまくいった。

だが考えて欲しい。
いくら異世界スキルがあるからといって、三十代後半のうだつの上がらないワープア男性が、そうほいほいとプロの女性をプライベートでお持ち帰りできるだろうか?

いや、無理だ。

できたとしても、作品として面白くないだろう。

なにか別の手を考えねば……。

書籍版オリジナルロイン誕生

4人分のエロシーンのうち、2人分はクリアできた。
あと2人分のエロシーンをどうするか、それが問題だ。

そこでほーち先生は、ヒントを求めて作品を読み返す。
そしてこんな一文を見つけた。

過去に付き合った数少ない女性に対しては~

なるほど、どうやら主人公には過去に恋人がいたらしい。

ではその元恋人にご登場願おうではないか。

というわけで生まれたのが、書籍版オリジナルヒロインの花梨だった。

これがなんというか、大成功だった。
風俗と違って、元恋人との再会から行為に至るまでの流れを考えるのはものすごく難しい反面、非常に楽しかった。
花梨というキャラクターが生まれたおかげで、小説家としてのスキルが数段上がったという実感があった。

非常に人気のあるキャラクターで、書籍から入ってノクタ版で先読みしようとた何人かの読者から

「花梨がいないのがつらすぎて読めません。書籍の続きを待ちます」

といわれたほどだ。

そんな魅力的なキャラクターは、レーベルの自主規制から生まれた。

災い転じて福と成す、とはまさにこのことだろう。

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