ほーち先生のはなし12

転移失敗のはなし5

気がつけば2ヵ月以上も間が空いてしまった。
本当に申し訳ない…。

もうなにを書こうと思っていたのかも忘れてしまった。

……。

思い出した…!

イラストで内容が変わることもある

『転移失敗』に風俗嬢のリナというキャラクターがいる。
リナというのは源氏名で、本名は藤野さやか。
とりあえず早めにエロシーンを出すため、主人公がトラック事故の見舞金を片手に訪れた風俗店で働くお嬢さまだ。

はっきりいってモブである。

たしか連載当初ノクターンノベルズの『姫初め企画』というのに参加するため時期を年始に設定し、着物コスチュームで登場させた。
企画に参加したのは、少しでもPVを増やすためだ。
効果があったかどうかは不明。

とにかくそんな感じで雑に出しただけのキャラクターだったが、彼女が思いのほか脚光を浴びることになった。

その理由は、オシリス文庫の刊行形態にある。

オシリス文庫でシリーズ刊行される作品は、1巻がお試しサイズで99円(税別)、2巻からフルサイズで600~800円ぐらいとなる。
つまり、1巻は非常に短くなるのだ。

そして1巻に登場する女性キャラクターで主人公としっかり絡むのが、リナしかいなかった。

そんなわけで、彼女が表紙を飾ることとなった。

もし1巻がフルサイズなら、実里と花梨が表紙を飾り、リナはよくて挿絵のみに登場という扱いだっただろう。

キャラデザがよかったんや…!

さて、リナが表紙を飾ることが決定したということで、さっそくsaraki先生からキャラクターデザインが送られてきた。

それがこれだ。

「えっ、この娘こんなにかわいかったん!?」

というのが正直な感想だ。
正直作者の中にもほとんどイメージのなかったキャラクターなので、こまかい設定などはなく、文章から読み取っていただいた。
おそらく担当編集からもいくらか注文が入っただろうが、ほぼsaraki先生におまかせである。

ただ、モブではあるし、言い方は悪いがそこまで期待はしていなかった。

そこにこのデザインが上がってきたのだから、そりゃ驚きもする。

逆パネマジと言っていいだろう。

というワケで出番が増える

ここまで素晴らしいキャラクターに仕上がった以上、お試し1巻のみに登場というのはもったいない。
さりとて、メインヒロインに昇格というのも厳しい。

風俗嬢という属性は実里と被るし、性格やしゃべり方などは花梨と被るからだ。

そんな事情もあり、彼女は番外編で何度か登場することになった。

まずはビギニングノベルズ版の番外編。
ここで彼女の私生活に少し触れることになった。

人気の風俗嬢と言うことで、そこそこ稼いでいるリナは、都会に住みながらなんと自家用車を持っているのだ。
すごい!

ちなみに乗っているのは3ドアタイプのmini。

しかもリナ、本人にはっきりとした記憶はないが、花梨や実里より先に異世界を経験する。
ヒロインに昇格できないことへのちょっとした補償のつもりである。

それから数年後、オシリス文庫版16巻のエピローグ番外編に再登場。

そこでは少しだけ彼女の過去に触れることになる。
彼女の生い立ちやその後の生活については本編を書きながらも時々考えていて、いつか披露したいと思っていたので、それが実現できたのはよかった。

オシリス文庫版/ビギニングノベルズ版

そんなわけで、オシリス文庫の特殊な刊行形態とsaraki先生の素晴らしいデザインのおかげで、本来モブだったはずのリナは書籍2冊の表紙を飾り、出番も増えたのだった。

氷野先生のリナもいいぞ

ありがたいことに『転移失敗』は氷野広真先生の手によってコミカライズされることとなり、現在も絶賛連載中である。

そんな氷野先生の描くリナの、ほーち先生お気に入りカットが、これだ。

完成原稿でこのカットを見たときは本当に驚いた。

なんせこの服装、ほーち先生の好みのど真ん中を射貫いているからだ。

もしや氷野先生はエスパーなのか!?
それでほーち先生の好みをこうも的確に捉えることができたのかー!?

と、しばらく驚いていたのだが……

何のことはない、自分で書いていただけのことだった。

小説家というのは、こういう細かい部分をうっかり忘れてしまう生き物なのである。

エロナースのはなし

オシリス文庫版1巻にはリナとのプレイ以外に、ナースとのちょっとしたエロシーンがある。

これは別にほーち先生の趣味とかそういうのではなく、当時の担当編集から

「ナースとのエロシーン入れとかなくていいですか?」

と問われたので、じゃあ入れときましょうか、という安易な考えで書いたものだったりする。

特に深い意味はない。

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